妊娠線や肉割れの原因

「皮膚の病気」である妊娠線と肉割れについて

妊娠してお腹が大きくなったり、急激に太ったりすると、皮膚に赤紫色の線ができたり、白い網目状の線ができたりすることがあります。これは妊娠線や肉割れと呼ばれ、一度できてしまうとなかなか消えず、見た目にも目立って悩んでいる人が大勢いるのです。

この妊娠線って一体なに?

そもそも人間の体全体を覆っている皮膚は、表面から見て「表皮」「真皮」「皮下組織」3層構造に分かれています。

肌の3構造イラスト
  • 表皮…一番表面にある、外界からの刺激を防いでいる層。絶えず細胞が入れ替わっています。
  • 真皮…血管や神経があり、皮脂や汗を分泌します。熱さ・冷たさ・かゆみなどのセンサーの役割も担っています。
  • 皮下組織…脂肪を蓄え、血管や神経を保護するとともに、寒さや衝撃から体を守る保温機能もあります。

実は、妊娠線は皮膚の表面(表皮)にできるのではなくて、その下の「真皮層」にできた傷が、皮膚の上から透けて見えている状態なのです。真皮層は表皮と違って新陳代謝が遅いため、一度傷ができるとなかなか回復しません。そのため、皮膚の表面に保湿クリームやオイルを塗っても、真皮層まで届かず、全く効果が出ないのです。

妊娠線・肉割れができる原因を解明!

肌の構造がわかったところで、なぜ妊娠線ができてしまうのかを把握しておきましょう。その原因は、主に2つあります。

1)体型の変化に伴い、皮膚が急激に伸びるため

皮膚の急激な伸びイラスト

妊娠や肥満などで急激に体重も増加すると、お腹周りを始め、腕や太ももなども脂肪を蓄えて大きくなります。脂肪が増えると皮膚が伸びてしまうわけですが、皮膚の表面である表皮はそれに合わせて伸びることができます。しかし、その下にある真皮は急激に伸びることができません。そのため、真皮層や弾性繊維などが断裂してしまい、赤紫の線となって表面から透けて見えるのです。

2)皮膚のターンオーバーが低下するため

妊娠中は、皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)の働きが抑えられてしまいます。それは、肌の弾力を失わせる働きがあるホルモン・コルチステロイドの分泌が活性化してしまうから。これが原因で皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)の働きが低下し、表皮や真皮が弱くなっていきます。そのため妊娠中は、普段よりも増して皮膚の断裂が起こりやすい状態になってしまうのです。

妊娠線を防ぐために気をつけることは?

できてしまった妊娠線を治すことはとても難しいと言われており、妊娠線に悩む女性は大勢いらっしゃいます。しかし、最近では妊娠線のケアを積極的に行う妊婦さんが増えたため、出産後も美しい肌を保っている方も少なくありません。妊娠線に悩む前に、妊娠中から気をつけていくべきポイントを確認していきましょう。

急激な体重増加に気をつける

ママひとりの体で二人の栄養を担うとはいえ、過度な栄養摂取で体重を増加させる必要はありません。急激に肥満になってしまうと、真皮の伸びが追いつかなくなる上、難産になるリスクも高まってしまうのだとか…。妊娠中は、増加する体重の推移をなるべくゆるやかになるようコントロールする必要があります。一番良い方法は、お医者さんに相談し指導をしていただくことかもしれませんね。

皮膚の保湿ケアをしっかり行う

ターンオーバーが低下し、弾力を失っている皮膚を生き返らせるためには、保湿がとても重要です。クリームやオイルでしっかりとケアをすることで、妊娠中でもハリと潤いのある肌を保つことができます。お腹が大きくなり始めるころから出産予定日ギリギリまでケアしていくことがポイント。お腹の赤ちゃんに話しかける時間を利用して、毎日しっかりとお手入れを行いましょう。

できてしまった妊娠線はどうすればいいの…?
すでにできてしまった妊娠線は、このページで紹介した方法では消すことができません。妊娠線は「皮膚の病気」。それを消すためには、クリニックでの適切な治療が必要です。最近では、妊娠線に適した治療を行うクリニックもあるので、現時点でお悩みの方は一度相談してみるのもいいかもしれません。
お医者さんと女性のイラスト